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骨太方針2024
「経済・財政新生計画」で
全世代型社会保障の構築を目指す

政府は「経済財政運営と改革の基本方針2024~賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現~」(骨太方針2024)を閣議決定しました。
人口減少が本格化する2030年度までを対象期間とした「経済・財政新生計画」を定め、社会保障の分野では「全世代型社会保障の構築」を掲げています。

時間軸に沿った改革を着実に推進

骨太方針2024ではデフレ完全脱却の実現と、豊かさと幸せを実感できる持続可能な経済社会を目指し、「経済・財政・社会保障の持続可能性の確保を図るには、人口減少が本格化する2030年代以降も、実質1%を安定的に上回る成長を確保する必要がある。その上で、さらにそれよりも高い成長の実現を目指す」とし、2030年度までの6年間を対象とした「経済・財政新生計画」を定めました。今後3年程度で必要な制度改革を含め集中的な取組を講じていくとしています。
社会保障の分野では「全世代型社会保障の構築」を掲げ、中長期的な社会の構造変化に耐え得る強靱で持続可能な社会保障システムを確立する必要があること、また、医療・介護等の不断の改革により、ワイズスペンディングを徹底し、保険料負担の上昇を抑制することが極めて重要であることを明記し、そのためには昨年12月に定められた改革工程に基づいて、時間軸沿った改革を以下のとおり着実に推進するとしています。

経済・財政新生計画 「全世代型社会保障の構築」の主な内容

<医療・介護サービスの提供体制等>

◆ 国民目線に立ったかかりつけ医機能が発揮される制度整備等を図る。
◆ 各種疾病対策等の推進や、感染症対策の推進を図るとともに、更年期障害や骨粗しょう症等に対する女性の健康支援の総合対策の推進を図る。
◆ 生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた具体的な取組の推進等により、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む。

 

<医療・介護保険等の改革>

◆ 給付と負担のバランスや現役世代の負担上昇の抑制を図りつつ、関連法案の提出も含め、各種医療保険制度における総合的な検討を進める。
◆ 介護保険制度について、利用者負担が2割となる「一定以上所得」の判断基準の見直しについて、第10 期介護保険事業計画期間の開始の前までに検討を行い、結論を得る。

 

<予防・重症化予防・健康づくりの推進>

◆ 第3期データヘルス計画に基づき保険者と事業主の連携(コラボヘルス)の深化を図る。
◆ ウェアラブルデバイスに記録されるライフログデータ(睡眠・歩数等)を含むPHR(Personal Health Record)について、医療や介護との連携も視野に活用を図るとともに、民間団体による健康づくりサービスの「質の見える化」を推進する。

 

<創薬力の強化等ヘルスケアの推進>

◆ イノベーションの進展を踏まえた医療や医薬品を早期に活用できるよう、民間保険の活用も含めた保険外併用療養費制度の在り方の検討を進める。
◆ さらなるスイッチOTC化の推進等によりセルフケア・セルフメディケーションを推進しつつ、薬剤自己負担の見直しについて引き続き検討を進める。

 

<働き方に中立的な年金制度の構築等>

◆ 勤労者皆保険の実現のため、企業規模要件の撤廃を始め短時間労働者への被用者保険の適用拡大の徹底、常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種の解消等について結論を得る。

 

<社会保障・少子化をめぐる中長期課題への対応>

◆ 健康寿命の延伸や女性・高齢者等の高い就労意欲を踏まえ、さらなる健康へのインセンティブ、働き方に中立な社会保障制度の確立や働き方改革などを一体的に推進する政策パッケージを取りまとめるなどにより、年齢・性別にかかわらず生涯活躍できる環境整備を推進する。

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