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2026年 干支の話 巳

1年で最も運気が上がる
「初午」の日

  • 午は十二支の7番目で、月は旧暦の5月にあたります。時刻では昼の12時を中心に11~13時頃を指すことから、12時を正午、正午より前を午前、後を午後というようになりました。また、北極と南極を結ぶ子午線という名称は、午の方位が南であり、北がねずみ(子)であることに由来しています。
    2月最初の午の日を「初午」といい、1年で最も運気が上がる日といわれます。711年の初午の日に、穀物の神様「稲荷大神」が京都府の伏見稲荷大社の稲荷山に降臨したとされ、全国の稲荷神社で「初午祭」が行われます。祭では、稲荷大神のお使いとされる狐に油揚げやいなり寿司を供え、五穀豊穣、商売繁盛、無病息災、家内安全などを願います。
    午は、動物では馬があてられます。馬は古くから人間と深く関わっており、さらに、神の乗り物として信仰の対象にもなっています。そのため、昔は神事や祈願の際、神の降臨を願って馬を奉納する風習がありました。後に、生きた馬の代わりに馬を描いた板絵を奉納するようになったのが、「絵馬」の起源です。

縁起の良い
「馬九行久」と「左馬」

  • 「馬九行久」をご存じでしょうか。これは「うまくいく」と読み、「馬九行駆」「馬九行九」などとも書きます。「万事うまくいく」という意味を表す縁起の良い言葉で、九頭の馬(九頭馬)に由来しています。昔から「馬九行久」の九頭馬は、勝負運・金運・出世運・家庭運・愛情運・健康運・商売繁盛・豊漁豊作・受験合格の9つの運気を表すといわれており、陶器や財布、扇子など、さまざまな縁起物の図柄として用いられています。
    そして、縁起物に描かれる「馬九行久」の九頭馬は、ほとんどが左を向いています。これは、馬の文字を左右逆にした「左馬」が招福の象徴とされていることに由来します。左馬には、右に出るものがないことから、勝負時に優れたパワーを発揮する、馬に左から乗ると倒れないことから、何事もなく過ごすことができるなど、さまざまな縁起の良いいわれがあります。午年の今年、「うまくいく」グッズなどをラッキーアイテムとして持ってみてはいかがでしょう。

海神ポセイドンの子だった
天馬・ペガサス

  • ギリシャ神話に登場するペガサスは、翼と白銀の体毛を持ち、空を駆ける天馬です。ファンタジー映画や小説、アニメなどにもたびたび登場しますが、ペガサスの誕生については、あまり知られていないのではないでしょうか。
    ペガサスの両親は、海神ポセイドンと、蛇の毛髪を持ち見る者を石にする怪物・メドゥーサです。絶世の美女であったメドゥーサを見初めたポセイドンは、知恵や戦略を司る神・アテナの神殿で契りを結びます。これに怒ったアテナは、メドゥーサを醜い怪物の姿に変えたといわれ、怪物となったメドゥーサは、全知全能の神・ゼウスの子であるペルセウスに退治されてしまいます。ペルセウスがメドゥーサの首をはねたときに流れた血から生まれたのが、ペガサスです。
    ペガサスが馬の姿で生まれたのは、ポセイドンが海神であると同時に馬の神でもあったからです。ゼウスの雷鳴と雷光を運ぶ役目を担っていたペガサスは、やがて天に駆け上がって星座になりました。秋の夜、南の空に、その姿を見ることができます。

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