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2025年 干支の話 巳
巳の日に弁財天参詣で
金運・財運アップ!
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巳は十二支の6番目にあたります。月は旧暦の4月、時刻は午前10時を中心とする2時間を表し、方位は南南東で、動物はへびがあてられます。草木の成長が極限に達した状態を表す「已」であったものに、後に巳が割りあてられたといわれ、読み方の「み」は、へびの古語「へみ」よりきています。
巳の日は弁財天の縁日で、金運・財運に恵まれる吉日とされます。弁財天は、元々は豊穣や音楽、知恵などをつかさどるインドの河の神で、日本に渡ってきた当初は、「弁才天」と書かれていました。後世、福徳を授ける吉祥天や、財運の力を持つ人頭蛇身の宇賀神と同一視されることで、弁財天とも書かれるようになったのです。水とのかかわりの深い弁財天の使いは、古くから金運や商売繁盛を招くと考えられてきた白蛇です。巳の日にお参りをすると使いの白蛇が願いを聞き、弁財天に伝えてくれるといわれています。
昔から、「へび皮の財布を持つと金運が上がる」「へびの抜け殻を財布に入れるとお金が入ってくる」などといわれますが、こうした言い伝えは弁財天と白蛇の金運・財運を背景に生まれたものなのかもしれません。
ヤマタノオロチは
大河だった?
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世界各地の神話や伝承には数多くのへびが登場しますが、日本でよく知られているのは、やはり「古事記」のヤマタノオロチでしょう。
年に一度、娘を食べにくる大蛇・ヤマタノオロチは、出雲に降り立ったスサノオノミコトに退治されます。ヤマタノオロチは、「目はホオズキのように赤く、1つの体に8つの頭、8つの尾を持ち、体には苔や檜、杉が生え、谷8つ、山8つにわたるほど巨大で腹はいつも血でただれている」といわれています。なぜ、これほど巨大で不気味な姿をしているのでしょうか。
実は、ヤマタノオロチはスサノオノミコトの降り立った出雲を流れる肥河(斐伊川)を表しているといわれます。へびは昔から水神、山神としてあがめられ、雨や水をつかさどるとされてきました。そして、川が山や谷を越えながらうねり流れるさまは、まさに大蛇の姿を連想させます。肥河は古代から流域の農耕に恩恵をもたらす反面、たびたび氾濫を引き起こしてきました。人間の力ではどうすることもできない自然の脅威が、ヤマタノオロチという巨大な蛇神として恐れられ、崇拝されてきたのでしょう。
救急車に描かれている
医学を象徴するへび
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救急車の車体には、6本の柱が放射状に伸びる青いマークが描かれています。このマークは「スター・オブ・ライフ」といい、世界中で救急医療のシンボルになっています。6本の柱は、頂点から時計回りに、「覚知」「通報」「出場」「現場手当」「搬送中手当」「医療機関への引き渡し」という救命救急の基本プロセスを表しています。
そして、スター・オブ・ライフの中央には、1匹のへびが巻きついた杖が描かれています。この杖は「アスクレピオスの杖」といい、持ち主であるアスクレピオスは、ギリシャ神話に登場する医学の神で、死者さえも蘇らせる技術を持ち、後にへびつかい座となりました。
杖に巻きついたへびの意味については諸説ありますが、へびは脱皮をくり返すことから、再生・復活の力を持つとして神聖視されてきたことがひとつ。また、へびは人命を危険にさらす毒を持っている一方、酒に漬けたり粉末にして煎じたりして薬として使われてきたことから、毒にも薬にもなるという二面性が、生と死、病と健康という相反することがらを扱う医学を表すシンボルとなったともいわれます。